2024年7月7日日曜日

村上隆 もののけ 京都

村上隆の作品は二十年近く前から気になっていたけど、生理的にどうも受け付けなくて、特に展覧会にも行こうとしなかった。

工房、デザイン事務所、印刷事務所、CGなどで大量生産的な印象があるので、ネットで調べてみたら有限会社カイカイキキで作品を作っているようであった。
モリスのアーツ・アンド・クラフツ運動やウィーン工房に似た業態だと思う。
アニメキャラっぽいのが、今の時代の風潮を切り取ったもので、今まで関心はするけど感激はしない印象があった。2000年の初頭から海外でも知名度を上げ高く評価されていたが、天才的なプロデュースのセンスや経営力があると強く感じる。
今まで、わざわざ美術館迄はと思っていたが、京都でやることになっていたので、いつまでも食わず嫌いも行けないなと思い、クルマを駆けて観に行くことにした。



入口の壁画と仏像のようなオブジェ、ド迫力、外国の観光客が自撮りや記念撮影をしていた。涅槃の入り口のような印象(実際はもっと質素なものだが)
金剛力士像をモチーフにした像がある

かなり大きな立像、新興宗教の偶像みたい。10年たったら信仰の対象になりそうな迫力と完成度。100年たったら令和期の文化遺産になる可能性もある。


今回の展覧会は、ベースがキャラクターのイラストやオブジェではあるが、遊園地感覚で観に行くのとも違うし、ポケモンセンターにも行くのとは違う。芸術家の魂の吐露を確認するような場である。村上隆も還暦を超えて円熟味が増し、ますます創作意欲が増えたように思う。そして、「もののけ京都 」というテーマであるが、死が身近になって来ているように思う。


10年たったら、仏教寺院、新興宗教的な方向「大徳寺真珠庵」に飾られるような気がする。もののけ、暗い、死をイメージにしたもの、京都の歴史的なカルチャーと結びつく。













まだまだ仏教的な要素の絵は有った。
CGで作成してプリントしているので肉筆感はない。どんな風に金箔とか処理されているのか気になって目を凝らしてみたが、シルクスクリーンか顔料の印刷??


こちらからは、キャラクター風な作品




唯一エロチシズムを含んだ作品(多分)

個々の評価は避けるが、もちろんレベルは高いがCGで作っているので、手造り感は無い(ここでそれを求めるのは野暮であるが)工芸品的な扱い、希少価値云々より面白いモチーフがあれば、コレクターとして持っていたいという気はさせる。






村上隆ワールド全開のスリリングな展覧会であった
鑑賞後に妙な高揚感が有って、来てよかったと思う。






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