会田誠の画集を、絵を観るというより絵を読んでみると、100年ほどの隔たりはあるが、クリムトと同じような性描写をしているなと思う。ウイーンの世紀末でフロイトやらオーストリア=ハンガリー帝国の空気を含んだクリムトと、IT化が進み人間関係が希薄化し、淡白な表現(所謂キレイな・・・)になりつつある会田誠を比べてみると、共に画家が生きて来た時代の空気が感じられる・・・
クリムトのこの絵「医学」は、本来三部作として「法学」、「哲学」と共にウィーン大学の講堂の天井画に使われる予定だったが、色々とクレームが出て、結局クリムトが買い戻した。その後1945年に戦災で消失してしまった。(ネットに載せているのは下絵で、実物は白黒写真しか観た事が無いが、かなり描き込んでいる)クリムトの文化が爛熟しデカダンに包まれた人たちと、さりげなく髑髏が描かれているが、生と死を甘美に表現している。
会田誠は、躍動感があるスクール水着の少女が多数描かれているが、生と死が隠蔽され21世紀初期のデカダンが塗り籠められている。もう少し時が経てばこの絵の価値が定まるのではないか・・・
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