村上隆の作品は二十年近く前から気になっていたけど、生理的にどうも受け付けなくて、特に展覧会にも行こうとしなかった。
工房、デザイン事務所、印刷事務所、CGなどで大量生産的な印象があるので、ネットで調べてみたら有限会社カイカイキキで作品を作っているようであった。
モリスのアーツ・アンド・クラフツ運動やウィーン工房に似た業態だと思う。
アニメキャラっぽいのが、今の時代の風潮を切り取ったもので、今まで関心はするけど感激はしない印象があった。2000年の初頭から海外でも知名度を上げ高く評価されていたが、天才的なプロデュースのセンスや経営力があると強く感じる。
今まで、わざわざ美術館迄はと思っていたが、京都でやることになっていたので、いつまでも食わず嫌いも行けないなと思い、クルマを駆けて観に行くことにした。
今回の展覧会は、ベースがキャラクターのイラストやオブジェではあるが、遊園地感覚で観に行くのとも違うし、ポケモンセンターにも行くのとは違う。芸術家の魂の吐露を確認するような場である。村上隆も還暦を超えて円熟味が増し、ますます創作意欲が増えたように思う。そして、「もののけ京都 」というテーマであるが、死が身近になって来ているように思う。
10年たったら、仏教寺院、新興宗教的な方向「大徳寺真珠庵」に飾られるような気がする。もののけ、暗い、死をイメージにしたもの、京都の歴史的なカルチャーと結びつく。