2022年1月10日月曜日

ボイス+パレルモ展

中々行く機会がなかったが、時間を融通して行ってきた。16時前に入館して1時間あれば観れるだろうと思っていたが、時間が足りず、B2Fの1968年展を10分位で観ることになり勿体ないことをした。 ボイスの事は断片的にしか知らず、パフォーマー的な要素が強いぐらいのイメージしか無いが、今回の展覧会で全貌とはいえないが片鱗みたいなものは分かったと思う。 所謂、現代美術は裸の王様みたいなところが有って、凄い凄いとみんなが言っていても、半ば洗脳されて凄いと信じているところがある(晩年の草間弥生みたいに)バレルモは全然未知の作家で、写真で見たことがあるボイスが三脚に乗ったりして作業しているのを延々と映し出されているが、まあそんなものかと5分ほど立ち止まって見た。3~4か所ヴィデオを放映していたが(多分ブラウン管テレビ?)ドイツ語でしゃべっていて、字幕もないので、何を言っているのか解らなかった。レンタルのヘッドホンを借りたら良かったかも知れない。 作品は、どう評価すれば良いのだろうか?ボイスの初期の頃は、結構黄金比など意識した作品を作っている様に思うが、飛び抜けて美しかったり、才能を感じる作品かと言えばそうではないし、以前滋賀で観た、オノヨーコ展や、ボロフスキー展の方が、ヒリヒリする前衛性とおおらかな才能が感じられて良かったが、今回は、禁欲的・閉塞的な印象を受けその頃の西ドイツの世相を表現しているのかとも思った。日本のアングラや万博前後の学生運動などと通じる面があるのかも知れない。 観覧途中で、どれがボイスでどれがパレルモかあんまり分からなくなってきた。作品の横の表示に作家名が書かれていないので、部屋ごとにボイスとパレルモを区切っているのだろう。かっちりした作品がパレルモ、即興的な作品がボイスなのかとも思う。 どちらかと言えば、知識で観るよりも、予備知識無しの直感で作品を見たいタイプなので、今回も部屋を何度も行き来きしたり、丁寧に説明文を読みながら観ていったが、すごいのは分かるが、なにか時代の仇花的な印象を受けた。ショップでポストカードなど売っていたら買おうと思ったが、分厚い本だけしかなかった。一般受けしないので作っても余るリスクがあったのかと思う。 続いて、地下2階の1968年展を観ながら、色彩豊かな作品群を見てホッとするが、その時にボイス・パレルモの重層的・禁欲的な考えが感じ取られたのは、なんか皮肉な気がした。